シロのこと（13）+優しい紙ヤスリ
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静かな家の中に突如響いた轟音と悲鳴とその後の不気味なすすり泣きに
しぶしぶくつろぎタイムを中断し、ゆんの部屋へ向かったシロ。
そこには学習机のそばにひっくり返り、巨大たんこぶをこさえ
ベソをかくゆんの姿があった…
※下の方にショートエッセイ『優しい紙ヤスリ』があります。
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（シロちゃんシリーズを初めて読む方は、はじめにシロのこと(0)〜プロローグ〜を最後までお読みください。）→★
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優しい紙ヤスリ
シロちゃんは、とても心の優しい猫でした。
普段、小学生の私がシロちゃんシロちゃんと五月蝿くちょっかいかける時は
サクッと秘密基地に避難してまったく相手にされませんでしたが、
私が病気や怪我で弱っている時や気持ちが落ち込んでいる時、
ふと気がつくといつの間にかそばにいて、まるで慰めるかのように
添い寝してくれたり、今回のお話のように
小さい紙ヤスリのような舌でザリザリ舐めたりしてくれました。
当時の幼稚な自分を思い返すと、つくづくシロちゃんは
なんて心が広いんだろう…
なんて大人な猫なんだろう…
としみじみ感動してしまいます。
シロちゃんの紙ヤスリの思い出は今回のお話が一番ですが、
他にも私がなんらかの理由で部屋の床に体育座りして一人ベソをかいていたら、
シロちゃんがおもむろに部屋へ入って来て
半袖の私の剥き出しのひじの辺りをザリザリしてくれたことがあります。
その時私が何が原因で凹んでいたかは全く思い出せませんが、
けっこう長い時間ほんとうに一生懸命舐め続けてくれたシロちゃんの
温かくてザラザラの舌の感触は
今でも覚えています。
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『シロのこと（14）』につづく→★
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ゆん米と申します。インスタで猫漫画を細々と描いてます。