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シロのこと(5)(+シロちゃんのお母さん)

2020年12月28日

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お話は、シロちゃんが我が家にやってきたばかりの頃までさかのぼります。

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※下の方にショートエッセイ「シロちゃんのお母さん」があります。

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(シロちゃんシリーズのお話を初めて読む方は、先にシロのこと(0)〜プロローグ〜を必ず最後までお読みください。)→

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シロちゃんのお母さん

シロちゃんの母猫は、片目が金で片目がブルーのオッド・アイと丸く短いしっぽを持つ、とても綺麗な白猫でした。

漫画では「野良」としていますが、毛並みが良く大変ひと懐こいところからすると、放し飼いの飼い猫だったのかもしれません。

(まだ昭和の当時、放し飼いは普通のことでした。)

白くてフレンドリーなところがサザエさんのタマに似ているということで、勝手に「タマちゃん」と命名して家族で可愛がっていました。

小魚の干物などをやると喜んでお行儀よく食べて、子供の私にもおとなしくたくさん撫でさせてくれる気さくな猫でしたが、

二ヶ月足らず我が家へ通ったのち、庭の片すみのサツキの植え込みの陰でシロちゃんを産み落とすと

お乳もろくにあげる事なく、我が家へもあまり姿を見せなくなってしまいました。

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タマちゃんに置き去りにされた生まれたての仔猫が気になって仕方がない私に父は、

「別宅(というか本宅)にご飯を食べに出かけてるんだろう。

しばらくしたら戻ってくるだろうから仔猫に手を出したらいかんよ。

子育て中の母猫が警戒するからね。」

といさめてくれました。

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…ところが待てど暮らせどタマちゃんは戻りません。

夕方になり、見かねた父がついに仔猫を保護した時には、小さな身体は冷えゆく外気にさらされ弱々しく震えていたそうです。

その後、両親の懸命の努力の甲斐あって体調を回復したシロちゃんがすくすく成長してからも、

タマちゃんはニ三ヶ月に一度の頻度で我が家の庭にオヤツをもらいにちゃっかりやって来て、

立派に成長した我が子と窓ごしに目が合うと「あんた誰?」って顔してました。

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タマちゃんは見たところ大変若く、おそらく今回が初めての出産経験だったのだろう、

そのため母性がまだ十分備わっていなかったのかもしれない、

と父は推測しています。

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『シロのこと(6)』につづく→